蒼虚_Aozora_トレーラー

幼き日に連れ去られ、とある研究の実験体となった少年少女たち。
小さな閉鎖空間で長い時間を過ごしていた彼らは、人々にありふれた「空」と言う景色すら忘れてしまっていた。
日常にありふれる「空」。

ある時、誰が言い出したか。
「この施設を抜け出して、みんなで青空を見に行こう」
彼らは、幼き日に奪われた青空を目指して、この施設から逃げ出す計画を立てた。

シノビガミシナリオ「蒼虚」

シナリオ概要

□人数・・・・・・4人
□サイクル数・・・3
□所要時間・・・・4〜5時間(推定)
□シナリオ形態・・現代退魔編 / 協力型
□追加ルール・・・ペルソナ、エニグマ

□PC作成について
 PC1:ハグレモノ/影絵座、比良坂/常世
 PC2:斜歯忍軍/御釘衆、ハグレモノ/咎目流、古流流派/黒脛巾組
 PC3:隠忍/血社、隠忍/凶尾(忍法に一つ指定がある)
 PC4:一般人(ペルソナ)

 ・既存PCNG。
 ・PCたちは16〜20歳。確かな年齢は既に忘れてしまっている。
 ・PC4以外はHOを見て、KPを言いくるめられるなら、どの流派でも問題ない。

□シナリオ注意事項
 ・このシナリオでは、クライマックスフェイズでの生命点0= 戦闘脱落 死亡として扱う。

KP情報

以下KP向けの情報です。

本シナリオは「テストプレイが出来ておりません。
そのため、HOの互換性、NPCの忍法調整が行えておりません。
さらっと読んで回してみよう…!は非常に危険ですのでおやめください。
お手数お掛け致しますが、卓に合わせて、特にNPCの忍法を精査の上回すようにお願いいたします。

以上をご理解の上、シナリオの内容にお進みくださいませ。


□シナリオ背景
斜歯忍軍によるとある研究施設「ASA(Anti Secret Agent)研究所」があった。
そこでは忍びたちの力をより引き出すこと、普通の人間や忍びを妖魔化させる人体実験が行われていた。
そこに、幼い頃に連れさられ、研究体の一人とさせられてしまったPCたち。
幼き日からこの小さな世界にいるPCたちは、日常にありふれた景色である「空」の美しささえ忘れてしまった。
写真や絵くらいで見る空。
日常にありふれたその光景をわざわざ人はこう口にするのだ。
「今日の空は綺麗だね」
「空」というのは、実際に目にすれば、どれほど美しいものなのか。
PC達は外へ出て、空を見ることに憧れを抱いていた。

そして、PCたちと同じく、研究体としてずっと前から施設にいた I-4200 、ソーマという青年がいた。
彼は「不死」の研究体として成功した例であり、何年も19歳で時を止められ、この施設にいた。
彼もPCたちと同じく、空へと思いを馳せていた青年であり、PCたちがくる前から何度も何度もこの施設から抜け出すことを試みた者だったが、毎度失敗に終わるどころか、自分以外の仲間が殺されていっていた。
その中で気を狂わせてしまった I-4200 は、仲間たちは自分を置いて外へ出て行ってしまった裏切り者だという勘違いを起こすようになった。
それ以来、施設から逃げ出そうとする者たちの脱出計画を手伝うふりをしながら、外まであと一歩、というところで仲間を殺すということを繰り返していた。

そして、PCたちが外へと思いを馳せている時、研究員の永遠雛子(とわ ひなこ)に I-4200は「今の仲間たちはあなたを裏切らないのかしら?」とそそのかされる。
今の仲間こそは、そんなことはないだろうという思いの中、I-4200は仲間たちに「この施設を抜け出して、みんなで青空を見に行こう」と持ちかける。
すると、仲間たちは嬉々として、脱出する計画を立て始めるのだ。
彼は「あぁ、またこいつらもか」という思いの中、その計画を手伝うフリをする。

そして、導入へと繋がる。


□妖魔の弱点
本シナリオの妖魔ボスであるI-4200は、通常のPCの忍法、奥義からの攻撃ダメージは全て無効となる。
しかし、ペルソナの「忍者狩り」、もしくはI-4200に忍法の「吸精」を使用することでI-4200と同一の不死の効果を得られた者は、通常通りI-4200へと攻撃を通すことができるようになる。

そのため、クライマックスの戦闘の際はペルソナであるPC4、不死になることが達成条件の秘密をもつPC3への攻撃は、I-4200を倒せる手段がなくならないように調整をする必要がある。

導入

ビービーと警報音が鳴り、PCたちが逃げ出したというアナウンスが施設中に響く。
元からそこまで施設内に人は多くなく、逃げ出してからは何人かの研究員たちには出喰わすも、返り討ちにできていた。
事前にくすねた地図から念密に脱出経路は立てており、あとは運に任せて出られるか、出られないか。
出口まで、あともう少し。

一旦人目につかない場所へと辿り着いたPCたち。胸元にI-4200と刻まれている青年は、「ここらで少しだけ休憩しませんか?」と提案する。

脱走者、もとい現在施設にいる研究体は自分を含めて5人。
全員無事なままここまでこれた。
よくよく考えたら今共に逃げている仲間とは、多少交流はあっても、あまり詳しくはない。
「そういえば、改めて自己紹介でもしませんか?」
そう、I-4200は言った。

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ここで、自己紹介と使命の公開。

I-4200は自身のHO、使命の公開、流派と階級くらいしか言いません。
自身の本名は覚えてはいるものの「忘れてしまいました。」と濁します。
それ以外の情報や、キャラシの公開は、この場でしても戦闘の際にしても、どのタイミングでも良い。

マスターシーン

□導入終了後(自己紹介終了後)
自己紹介も終え互いの素性がより分かり、今回の脱出に向け、より互いを信頼し合うことができたかもしれない。
<対人術>にマイナス1の補正をかけて判定。
 →成功したら好きな相手とこの時点で感情を結べる。

さらに、ここで エニグマ「偽装:ASA研究所」を公開。

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□1サイクル目終了後
外への出口を探るPCたちの前に立ちはだかる影があった。
それは、この研究所の所長である永遠雛子(とわ ひなこ)と、あなたたちの身辺の面倒をよく見てくれていた研究員の永遠大人(とわ ひろと)だ。
永遠雛子は
「今この場で大人しく戻るのなら、何も痛いことはしないわ。さぁ、戻っていらっしゃい?」
と優しく語りかけてくる。
その隣で永遠大人はPCたちのことを心配そうに見つめていた。

ここで永遠雛子、永遠大人のHOを公開。

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□2サイクル目終了後
出口を目指していたPCたちは、敵の配置により、2班に分かれて先を進んでいた。
(好きなようにペアになってもらう。)
その時、PCたちの前(どちらか片方のペア)に立ちはだかる影があった。
それは、あなたたちの面倒をよく見てくれていた、永遠大人だ。
大人「他の3人はどうした?…まぁいい。今なら雛子を説得してやるから、戻ってこい。」
彼は頑としてその場から動こうとせず、この先へ進みたければ、彼を倒さねばならないだろう。

戦闘開始。(メインフェイズ戦闘)

特殊な銭湯乱入の採用はKPに任せます。
また、I-4200は、この戦闘には参戦しない。

クライマックスフェイズ

PCたちは、もうすぐ出口というところまで辿り着く。
しかし、そこに一人、立ちふさがる影があった。
それは、永遠雛子だ。
彼女は、PCたちのさらにその奥に話しかける。
「ねぇ、あなたにお友達はできた?」
それに、PCたちと共にここまで奮闘した青年は答える。
「あぁ、残念だ。また、裏切るんだ。僕だけを置いて、出て行く。許さない。僕のトモダチになってくださいよ。」

クライマックス 戦闘開始。

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戦闘終了条件はKP側、PC側どちらかの陣営の生命点が0になること。
泥仕合の可能性もあるので、終了Rの制限はKPが好きに決めて良い。

雛子は基本的に《裏コード》でPC1〜3を重点的に器術分野を潰し、奥義の範囲攻撃をする。

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□1R目
雛子は裏コードをした後に範囲攻撃をする。
裏コード、範囲攻撃の対象はPC1〜3。
I-4200に攻撃を加えられる一番の手段であるPC4には、1R目は攻撃しない。

I-4200は<時雨>を使用し、ラウンド終了時に奥義の「誘導」で雑踏へと移動。
<時雨>の対象はPC1~3と雛子のうち二人。

I-4200は基本的に自分より弱そうな人には興味がないため、自身がPC4から攻撃されない限りは、I-4200はPC4に攻撃はしない。

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□I-4200の血を飲んだPC3(T - 0402)
忍法<吸精>がI-4200に成功した場合、そのラウンドはI-4200へと攻撃が入ったことにはならないが、次のラウンドからPC3の攻撃がI-4200へと入るようになり、また、雛子からの攻撃はPC3には一切入らなくなる。
しかし、雛子の秘密にあるように、不死身の者同士は互いに傷つけ合うため、I-4200の攻撃はPC3にも入ってしまう。

Ending

□PC達の勝利
PC達が勝利した場合、PC達はそのまま出口へ向かい、待望の外の世界へと出られるだろう。
広い広い外の世界、自分たちがいた研究施設は少しばかり山の中にあるようで、その眼下には広い街並み、頭上には、壮大な空が広がっていた。

また、ここでようやくPC1とPC2は再会を喜べることだろう。

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□PC達の敗北
PC達が敗北した場合、PC達は全員死亡していることだろう。
その際、I-4200が生きていた場合、彼はポツリと「またトモダチはできなかった」と漏らすだろう。

HO

□PC1 ハグレモノ/影絵座、比良坂/常世
条件:なし。
特徴:影絵座→<盗聴術>を用いたあらゆる判定に+1の補正が入る。
   常世 →<死霊術>か<言霊術>を用いたあらゆる判定に+1の補正が入る。どちらか選ぶ事。
NO:H - 0349

PC1の使命

PC1の秘密

この研究施設から逃げ出す。

研究体 H - 0349
あなたは聴覚分野に特化して研究、実験を行われていた者だ。その結果、あなたは死者の声、人の心の声など、あらゆる声を聞き取ることができる。
あなたは<盗聴術> or <死霊術> or <言霊術>を用いたあらゆる判定に+1の補正が入る。

あなたには双子の弟(妹)がいる。幼い頃に兄弟揃ってこの施設へ入れられるも二人は別れてしまい、今はもう顔もわからない。
しかし、あなたにはずっと、双子の片割れの苦しむ心の声が聞こえていた。「痛い」「苦しい」「寂しい」「おにいちゃん(おねぇちゃん)に会いたい…」
あなたはこの計画で何としてでも自身の双子の片割れを探し出し、片割れだけでも外の世界へと出してあげたいと考えている。
あなたの【本当の使命】は自身の双子の片割れを救うことである。

■使命達成条件
PC2、V - 0425を死亡させず、クライマックスフェイズの戦闘を終了すること。

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□PC2 斜歯忍軍/御釘衆、ハグレモノ/咎目流、古流流派/黒脛巾組
条件:なし。
特徴:<瞳術>or <千里眼の術>を用いたあらゆる判定に+1の補正が入る。
NO:V - 425

PC2の使命

PC2の秘密

この研究施設から逃げ出す。

研究体 V - 0349
あなたは視覚分野に特化して研究、実験を行われていた者だ。その結果、あなたは時々少し先の未来を見ることができる。
あなたは<瞳術>or <千里眼の術>を用いたあらゆる判定に+1の補正が入る。

この【秘密】は情報共有が発生しない。
*受け渡し、《怪文》は可能。

あなたには最近、ある未来が見えた。施設にいる仲間たちと逃げ出す最中、自身の双子の片割れと再会するのだ。
しかし、再会を喜び共に逃げ出そうとするも、施設の者が自身に攻撃を仕掛け、自身を双子の片割れがかばい、死んでしまう…という未来。もし、自分の正体がばれなければ、この未来は極力回避できるかもしれない。
あなたの【本当の使命】自身の正体(この秘密)を隠し、片割れと共にこの施設から出ることだ。

■使命達成へのヒントというかアドバイスというか制限 *PLに伝えてください。
あなたは基本的にクライマックスフェイズの戦闘において「回想シーン」をやすやすと使うことができないだろう。
*「回想シーン」は自身の秘密を公開して行う処理であるため。

■使命達成条件
クライマックスフェイズが終了し、エンディングへ入るまでこの【秘密】がPC1、H - 0349にばれないことが使命達成条件となる。

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□PC3 隠忍/血社、隠忍/凶尾
条件:忍法《吸精》を取得すること。
特徴:<死霊術>or<兵糧術>を用いたあらゆる判定に+1の補正が入る。
NO:T - 0402

PC3の使命

PC3の秘密

この研究施設から逃げ出す。

研究体 T - 0402
あなたは味覚分野に特化して研究、実験を行われていた者だ。その結果、あなたは味だけでものの色を感知したり、その生物の状態を理解することができる。
あなたは<死霊術>or<兵糧術>を用いたあらゆる判定に+1の補正が入る。

あなたは繰り返される人体実験、人体改造から、酷く「死」に怯えていた。いつ死ぬかもわからぬ恐怖の中で生き続けるのが嫌だった。
この施設では「不死」の力の実験も行われており、現に施設内部にいる者の中に不死の者がいるという情報を得ていた。不死の力は、その者の血を飲むことで力を得ることが可能らしい。
あなたはその不死の力が欲しい。
あなたの【本当の使命】は不死の者の血を飲み、不死の力を得ることだ。
*忍法《吸精》を不死の者に使用し、判定に成功したら血を飲むことに成功した、という判定となる。

■使命達成条件
忍法《吸精》を不死身の者に使用し、判定に成功したら使命が達成したものとする。

---

□PC4 ペルソナ
条件:なし
特徴:<第六感>を用いたあらゆる判定に+1の補正が入る。
NO:F - 0200

PC4の使命

PC4の秘密

この研究施設から逃げ出す。

研究体 F - 0200
あなたは触覚分野に特化して研究、実験を行われていた者だ。その結果、あなたは触れたもののことが詳しく分かったり、対象が生物である場合、その対象の気持ちを感じ取ることができる。
あなたは<第六感>を用いたあらゆる判定に+1の補正が入る。

あなたはある一人の研究体のことを思い出していた。それは数年前の記憶。顔は覚えていないものの、彼の体に触れた時の冷たさはよく覚えている。まるで死んでいるかのようなその体、しかし目の前のその人は動いていた。今思うと、彼は不死の生き物なのかもしれない。
彼は、どれだけ長い事、この地獄のような世界で生きているのだろうか。少しばかりあなたの胸は痛む。
彼に会って以来、この施設から逃げ出そうとした人はいないため、恐らくあの研究体はまだこの施設におり、この計画に参加しているのではないだろうか。
あなたの【本当の使命】は、あの時会った不死の者をこの世界から解放することである。

■使命達成条件
I-4200をPC4の手で死亡させることである。
もし、PC3の攻撃が最後の一撃となりI-4200が戦闘脱落した場合は使命達成とはならない。
また、恐らくクライマックスフェイズにてPC3も不死身の者となっている可能性が高いが、「不死の者全員」ではないため、PC3を死亡させる必要はない。

NPC

□NPC / No. I-4200 / 妖魔ボス
中忍 / 鞍馬神流 / 魔王流
背景:他流派の血、人質
生命点:8点

<特技>
砲術、刀術、罠術、記憶術、死霊術、呪術

<忍法>
接近戦攻撃(呪術) P.78
時雨(砲術) P.90
先の先 P.90
夜雀 P.172
玲瓏 P.109

<奥義>
追加忍法:誘導、痛打
「友断 / ともだち」
聞こえますか。安らかな終わりを得られた者たちの騒めく声。
恐怖、怨念、恩讐、狂乱。
でも、ぼくには何も聞こえない。
奥義:友断
共に向かいましょう、地獄へ。

<特徴>
I-4200は忍法や奥義では生命点が減らない。
ただし、自分と同じく不死化したものや、ペルソナの「忍者狩り」からの攻撃は生命点が減少する。
今回の場合、「忍者狩り」を獲得したPC4、吸精成功後のPC3が攻撃を行うことが可能となる。

No. I-4200の使命

No. I-4200の秘密

この研究施設から逃げ出す。

研究体 H - I-4200
あなたは嗅覚に特化して研究、実験を行われていた者だ。その結果、あなたはその人の話が嘘か本当かを見分けることができる。
あなたは<呪術>を用いたあらゆる判定に+1の補正が入る。

あなたは、長年この研究施設に囚われている。
いつも、この施設でできたトモダチを見送る側で、いつも置いていかれてしまう。そんなあなたは、今度こそ本当のトモダチを作りたいと思っている。
あなたの【本当の使命】はトモダチを作ることである。

---

□NPC/所長・永遠雛子
中忍 / 斜歯忍軍 / 指矩班
背景:他流派の血
生命点:6点

<特技>
絡繰術、壊器術、隠形術、医術、地の利、暗号術

<忍法>
接近戦攻撃(医術) P.78
裏コード(暗号術) P.89
博識 P.89
揺音 P.85
秘中の秘 P.96

<奥義>
範囲攻撃 「ネバー・エンド」
作られし終わりのない命。
数多の犠牲の上に成り立ちし果てなき命に、巡るめく、死と再生を。
奥義「ネバー・エンド」

永遠雛子の使命

永遠雛子の秘密

あなたはこの施設内でも、特に研究熱心だった。
あなたの【使命】は逃げ出した研究体たちを捕らえることだ。

あなたはある時、偶然不死の者が他者に血を分け与えている様子を見た。すると、その者まで不死の者と同じように不死になってしまったのだ。
しかし、その不死になったものは、結果、不死の者に殺害された。不死の者同士が自身の力で傷つけあった場合、その傷は再生しないのだろうか。
現在の研究段階での不死というのは、まだまだ未完成であり、あらゆる可能性を秘めている。何としてでも、不死の研究体だけは、逃さぬようにしなければ。

また、この秘密を得たものは「I-4200の研究記録」を調査することができるようになる。<調査術>に成功することで、「I-4200の研究記録」の情報を獲得できる。
この<調査術>は、ドラマシーンのシーンプレイヤー時、通常の行動とは別に判定が行える。

■I-4200の研究記録 情報
I-4200は「不死」の研究に使用されている研究体だ。
I-4200は何度もこの施設から脱出を試みるも、仲間たちだけが殺され、I-4200だけが生き残る。
その結果、I-4200は精神に異常をきたした。
I-4200は殺されていく仲間たちが、自分を置いて外の世界へ出ていくのだと勘違いするようになった。自分だけを置いて外へ出ていくのだと裏切られた感覚に陥ったのか、ある時から、ここから逃げようとする仲間を殺すようになった。
I-4200は嘘の匂いには敏感だ。
またこの施設から逃げ出そうとする者が出た場合、その者たちを皆殺しにするのであろう。

---

□NPC / 研究員:永遠大人(とわ ひろと)
ペルソナ
プライズ「F - 0200の研究記録」を所持している。
生命点:1点

<特技>
選択分野:謀術
仕込み、第六感、医術、流言の術、記憶術、死霊術

偽装

真実

偽りの情報

「元忍者」
比良坂機関に所属していた青年は、流派を抜け、彼女に添い遂げる。
この【真実】を習得した時、汎用忍法か好きな流派忍法の中から忍法を2種選ぶ。この【真実】の持ち主は、その忍法を習得している。また、この【真実】の持ち主は、先方になった場合、忍者と同じようにプロットを行うことができる。ただし、最大でも4までしかプロットできない、忍法を習得していることを明らかにしたり、忍法を使用したり、戦闘で忍者と同じようにプロットしたりする場合、この【真実】を公開すること。
選択忍法:大祓(P.98)、鬼影(P.106)

偽装

真実

妻を愛し者

「亡者」
彼女を愛するが故、彼はここに存在する。
この【真実】の持ち主が、自分の【生命力】を減少しなければいけないとき、【真実】が明らかになっていなければ使用できる。その【生命力】の減少を無効化することができる。
また、この【真実】が明らかになった後も、この【真実】の持ち主は、自分に対してプラスの【感情】を持っているキャラクターによって、【生命力】を2点以上失わされた時、そのダメージを1点減少できる。

永遠大人の使命

永遠大人の秘密

あなたは主に研究結果の資料等の管理や、研究体の面倒をよく見ていた研究員だ。
あなたの【使命】は逃げ出した研究体たちを捕らえることだ。
また、あなたは研究記録をまとめたものであるプライズ「F - 0200の研究記録」を所持している。

拡散情報。
あなたは永遠雛子が、今の研究成果に不満を抱いてることに気がついていた。
彼女は研究体の廃棄を考えているものの、他の研究員がそれを許しはしなかった。
そのため、彼女は研究体を事故で殺そうとI-4200へと脱出計画を行うようにそそのかしているのを、あなたは目撃していた。「今の友達はあなたを裏切らないのか」と。
子を亡くしていたあなたにとって研究体たちが我が子のようであり、彼らが死ぬことは望んでいない。
あなたは何か、彼らの助けになることはできないかと、資料室から研究記録ファイルを持ち出した。

その他のHO

□プライズ「F - 0200の研究記録」

情報

秘密

この研究施設で研究されていた内容の一部が記録されているファイル。
このプライズを手に入れた者は、このプライズの【秘密】を見ることができる。

研究記録:F - 0200
研究が進み、研究体達も手がつけられなくなっている中で、例の不死の実験体は研究体を抑える良い道具だ。
しかし、その不死の者が暴れたらどうするか?
その抑止力として研究が進められたのがF-0200だ。
I-4200は特に対忍者に特化して作られた不死の研究体のため、通常の忍法や奥義では攻撃が効かない。
しかし、F - 0200自身も知らないであろうこの力は、不死の者を殺すことができる力を秘めている。
このプライズの秘密をF-0200が手に入れた時、F-0200はペルソナ「不死の者の抑止力」を手に入れる。

このプライズはメインフェイズ中のドラマシーンで受け渡しが可能である。

■「F - 0200の研究記録」で得られるペルソナ

偽装

真実

不死の者の抑止力

「忍者狩り」
研究体自身も知らないであろうこの力は、不死の者を殺すことができる能力を秘めている。
この【真実】の持ち主の攻撃が成功した時、目標が忍者のキャラ択たーだった場合に使用できる。
通常の効果の代わりに、1D6点の接近戦ダメージを与えることができる。また、目標が自分に対してマイナスの【感情】を持っていた場合、さらに接近戦ダメージ1点を与えることができる。

---

□エニグマ 「ASA研究所」

偽装

戦力

ASA研究所
斜歯忍軍が所有する、忍びの力や、妖魔の力を実験、研究する隠された施設。

「悪環境」
研究所の職員たちが、あなたたちの脱出を阻もうと、襲いかかってくる。
回復判定を行うキャラクターを目標にする。目標の行う回復判定にマイナス4の修正をつける。

研究施設シーン表

シーン決定に偏りが出るため、筆者の卓では1D12を採用しています。
フルダイスなどはKPや卓に合わせて適宜変更してください。
また、シーン表8〜11は50字程度でPLに考えてもらうと楽しいかもしれません。

1  冷たく、薄暗い廊下が続く。
   本当にこの世界から逃れられるのだろうか…。

2  紙束で溢れた資料室。
   そこには自分たちの記録も残されている。

3  痛みと恐怖が思い起こされる研究室。
   もう、この場所には戻りたくない。

4  倫理観の欠けたものたちが集う職員室。
   彼らとも、もうお別れだ。

5  板で打ち付けられた窓がポツポツ並ぶ廊下。外の様子は一切見えない。
   外からの光すらこの施設にはささない。

6  唯一の憩いの場であった図書室。
   沢山の本が並び、紙の匂いがするこの部屋は、あなたたちの心を落ち着けた。

7  空っぽの部屋。
   その部屋に落ちている一枚の絵は、真っ赤な夕日の絵が描かれている。

8  PC1の部屋

9  PC2の部屋

10 PC3の部屋

11 PC4の部屋

12 赤い絵の具で埋め尽くされた部屋を見かける。
   床に置かれた一枚の絵は、空の下書きのようであるが…。

クレジット

本作は、「河嶋陶一朗」「冒険企画局 新紀元社」が権利を有する
『忍術バトルRPG シノビガミ』の二次創作物です。
(C)河嶋陶一朗/冒険企画局 新紀元社

あとがき

本シナリオをお読みいただき有難うございます。
シナリオ製作者の窒素と申します。
シノビガミシナリオを作るのはまだ二回目で、あまり慣れてない上にテストプレイもままならぬまま、それでもどうしてもBoothフェスに出して見たかったために出してしまいました。
たまたま見つけてDLしてしまった方にはご迷惑をお掛け致します。
もし遊んでいただけた方がいましたら、以下にシナリオの感想、調整のアドバイスなどいただけましたら幸いです。
https://marshmallow-qa.com/n2_490

本シナリオは、元々Cocで作ろうとしていたシナリオの残骸を見つけたために、ビガミでつくってみよう!というノリで出来たものです。本当にノリで作っていたので、よくよく考えたらI-4200の瞳が蒼色でなんたる皮肉だろうかと思いました。

それでは、ここまでお読みいただき有難うございました。
また何かのシナリオで会うことがありましたら、その時はまたよろしくお願いいたします。

画像素材などはこちらからDLができます。
*BOOTHに飛びます。
令和元年 12月6日 窒素(@N2_490

本シナリオにて一人でも死亡者が出た。

▶︎ 本シナリオにて一人も死亡者が出なかった。


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